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トピックは主に企業の経営に関わることです。

No.7 松屋【3C分析】

今回はみんな大好き松屋についてです。
 
【サービス名】
松屋(牛丼チェーンのやつ)
 
【目次】
1.分析の目的、手法
2.Customer分析
3.Competitor分析
4.Company分析
 
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1.分析の目的
今回は3C分析を用いて分析をしていきます。
一般的に3C分析を使うことによって「KSFの発見」につながるとされています。
KSFの発見とは、自社が他社に勝てる理由を見つける事と捉えています。
 
2.Customer分析
Customer分析を行う理由は大きく2点あり、1点目は現在の市場環境を整理すること、2点目はターゲット市場の消費者のニーズを明確にすることにあります。そこで、マクロ(市場レベル)視点で前者を分析し、後者はミクロ(消費者)視点で分析を進めていきます。
 
A)マクロ視点の分析
「市場環境を整理する」というとざっくりしすぎなので、もう少し分解します。大きく3つの観点から整理をします。
まず、現在の視点。現在の市場規模とその中での自社のシェアを明らかにする。
次に、未来の視点。市場の成長性を吟味することで将来の市場規模を考えるヒントになります。
最後に、過去の視点。ターゲットとしている市場の領域ではどのような競争が行われてきたのか。
 
●現在の市場環境は?
吉野屋:103,610百万\
すき家:214,390百万\(なか卯込)
松屋 :  80,470百万\
合計 :398,470百万\
御三家のなかで松屋のシェアはおよそ20%
 
●未来の市場規模は?
2008年ころから店舗数や客単価は隆盛はあれどほぼ対比100%で落ち着いていおり、大きな転換も見られない。
そのため、今後もしばらくは大きな変化は起こらないと予想される。
また、松屋牛めし増税の際に税率が変わっても価格をこれまで通り380円に据え置くなど対策をとった。
 
●過去の市場規模は?
前述のように、ほぼ横ばい状態。
吉野家松屋すき家は20年以上前からある。
 
B)ミクロ視点の分析
ここではターゲットのニーズを明確にし、まとめておくことが目的です。
ニーズに対して企業は最適化アプローチと創造型アプローチの2種類の方法を使っています。前者は「今あるニーズを満たすよ!」後者は「一歩先にある新しいニーズを創りだすよ!」という考え方です。
 
消費者にもこの考えを当てはめ、大多数のひとが持っているニーズと、一歩先にあるニーズを整理します。
 
●大多数の人が持っているニーズは?
・低価格
・ひとりでも入りやすい
・うまい牛丼を食べたい
・注文してから出てくるまでが早い
 
●一歩先にあるニーズの仮説は?
今回は、「昼休みのサラリーマン」をターゲットに考える。
短時間で食事を済ませたい昼休みのサラリーマンにとって一歩進んだニーズを満たすようなサービスはあるのか?
 
・おかわり自由
すき家では店舗限定、吉野家は定食でごはんがおかわり自由
 全面的におかわり自由にしているところはなし
 
・クーポン券
すき家や吉野屋ではこれまでにも1か月使える割引券あり。ただ、もっと攻めた内容でもいけるのでは?という所感。
 
 
3.Competitor分析
Competitor分析の主題は、競合が先ほど調べた市場のニーズをどの程度満たせているのかを明らかにすることです。
その際、間接競合についても分析をするのがポイントです。間接競合とは、業界や市場としては異なるが自社と同じターゲットに同じ課題解決を提供している競合のことです。(例えば、「痩せたい」というニーズに対してはサプリメントという解決策を提供する企業と、ジムという解決策を持つ企業があります。)反対に、同じ市場でばちばちやり合っている相手は直接競合と呼びます。
 
●直接競合
 ニーズ①:低価格
 並盛で比較
 すき家 350\
 吉野家 380\
 松屋  380\(味噌汁込)
 
 ニーズ②:注文してから出てくるまでが早い
 大差なし 
 
 ニーズ③:質が高い
 吉野家 質が高いという声が多数あり
 
●間接競合
 ニーズ①に対する間接競合は?(前提として、丼もの)
 かつや、なか卯、てんや
 
 ニーズ②に対する間接競合は?
 ファストフード、丸亀製麺
 
 ニーズ③に対する間接競合は?
 てんや、丸亀製麺
 
 
4.Company分析
Company分析では、Competitor分析と同じように、松屋がターゲットのニーズをどの程度満たせているのかを明らかにします。
まずは客観的に分析をしたうえで、最後にCompany×Competitor×Customerすべてを総合的に判断し、勝てる領域とその理由を明確にする。
 
松屋が満たそうとしているニーズは何か?また、そのターゲットは誰なのか?
決算書類を見ると、「安心・安全・健康」や「食の安全性」を謳う文句が多い。ターゲットとして明確に狙っているのかはわからないが、「食の安全性意識が高い人」をまずいれる。
 
続いて、最近の新メニューをみると、
”超粗びき”ビーフハンバーグステーキ定食 790\
カチャトーラ定食 790\
となっている。牛丼を軸にラインナップの拡大を図ろうとしていることがうかがえる。ターゲットとしては「ちょい安ランチ」を求めているひと。
 
●ターゲットのニーズをどの程度満たせているか?
ターゲットをお昼時のサラリーマンとしてしまうと、松屋の戦略はあまりはまっていないか、飽きさせない工夫がちょっとある程度で「勝てる理由」にはならない。
逆に、近年すき家が力をいれているファミリー層への対応というほうが妥当な気はする。