No.10 CtoCビジネスについて
これまでの分析っぽい趣向とは変えて、CtoCの代表格であるUber/UberEatsを見ながらCtoCビジネスの特徴についてまとめる。
【サービス名】
Uber/UberEats
【調査の目的】
CtoCビジネスの歴史、基本構造を抑えたうえで、Uber/UberEatsの特徴を明確にすること。
【CtoCビジネスとは】
Consumer to Consumerの略で、一般消費者間で行われる取引のこと。
そういう意味では、この領域でビジネスをしている会社は厳密には、”CtoC領域でビジネスをしている”というよりも”CtoCという仕組みを利用してビジネスをしている”の方が正しい。
【CtoCビジネスの歴史】
CtoCについて調べると、「代表例はオークション」と出ることが多く、オークションはCtoCのなかで古くから生き残っている手法といえる。
オークションのような仕組み自体は古くから存在していたと考えられる。
近年では、インターネットが普及したタイミングでネットオークションが。スマホが普及したタイミングでメルカリなどが普及した。
日本国内では、ネットオークションの普及がだいたい90年代で、後者は2015年あたりから台頭してきたとみられる。
インターネットやスマホありきで広がったビジネスはほかにもたくさんあると思うので、インターネットすごい。
【CtoCビジネスの基本構造】
基本的には、プラットフォーマーとしてCとCをつなげる役割を果たすことでお金を稼いでいる。
【UberEatsの仕組み】
書いていくなかで気づいたが、UberEatsはCtoCビジネスとは言えない。が、まぁとりあえずね。
Ubereatsは前述のように、店と配達員をつなげるプラットフォーマーとしての役割を果たしている。
UberEatsの収入:
①加盟店からUberEatsを介しての注文があったとき、その注文総額の35%をUberEatsに支払う
②配達員の配達基本料金の35%がUberEatsに入る
③購入者からの配達手数料
UberEatsから配達員への支払い:
①加盟店で商品を受け取ったときに発生(受け取り料金)
②きちんと商品を渡せたら発生(受け渡し料金)
③加盟店から配達先までの距離
この①②③から35%を引いた額が配達員のものになる。
・ポイントとしては、すべてのステークホルダーから収入を得ていること。
≪UberEatsのCtoCぽさってなんなのか?≫
よく考えもせず、記事を書き始めたので、厳密にCtoCとは言えないようなところを題材にあげてしまいました。
とはいえ、UberEatsにCtoCぽさを感じていたのは事実なわけで、その理由を明らかにすることで埋め合わそう。
一番の理由は、配達員が一般人という点にあると感じる。
配達員のその辺にいる人の感じとか、働いているというよりはただチャリに乗っている感じとか。
Consumer to Consumerというよりも、Civil to Consumer(一般市民が顧客に)という略し方をしたらCtoCという言葉もいくらかしっくりきそう。笑
ある意味、Civilを自社の”配達員”として使うというアイディアはCtoCを超えるアイディアなのかもしれない。
最近、テレビでUberEatsの配達員が高速道路を自転車を走行していたというのがあったが、これも配達員が正社員とかならUberEatsの教育が悪いという話にもなりそうだが、そうではなく配達員(=civil)の人間性の問題として見られているように感じる。
もし本当にそうであれば、UberEats本体からしたらめっちゃ楽。何かやらかしたときに配達員のせいにできる。
【メモ】
UberEatsがCtoCではないと気が付いたきっかけは、ステークホルダーを整理したとき。
UberEats:お店、配達員、購入者
Airbnb:貸し手、宿泊者
こうやってみると、一目瞭然。
結局は、「お店」とお客さんを結び付けているプラットフォーマーでそのための手段として配達員を大切な資産として利用している。
配達員を評価(レビュー)するシステムはAirbnbにも似ていて、”CtoCらしさ”はここにもあるように感じるなぁ
No.9 西部HD(ホテル事業)
国内で最も売り上げをあげているホテルグループってご存知ですか?
アパ?星野リゾート?
じつは、プリンスホテルを持ってる西武ホールディングスのホテル事業なんです。
【サービス名】
西武HDのホテル事業
【目次】
1.分析の目的、手法
2.Customer分析
3.Competitor分析
4.Company分析
5.まとめ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1.分析の目的
今回は3C分析を用いて分析をしていきます。
一般的に3C分析を使うことによって「KSFの発見」につながるとされています。
KSFの発見とは、自社が他社に勝てる理由を見つけることととらえています。
2.Customer分析
Customer分析を行う理由は大きく2点あり、1点目は現在の市場環境を整理すること、2点目はターゲット市場の消費者のニーズを明確にすることにあります。そこで、マクロ(市場レベル)視点で前者を分析し、後者はミクロ(消費者)視点で分析を進めていきます。
A)マクロ視点の分析
「市場環境を整理する」というとざっくりしすぎなので、もう少し分解します。大きく3つの観点から整理をします。
まず、現在の視点。現在の市場規模とその中での自社のシェアを明らかにする。
次に、未来の視点。市場の成長性を吟味することで将来の市場規模を考えるヒントになります。
最後に、過去の視点。ターゲットとしている市場の領域ではどのような競争が行われてきたのか。
●現在の市場環境は?
市場規模はおよそ1兆4,769億円といわれています。
コンビニ業界の3分の1ほどです。
代表企業は以下の通りです。
2018年3月期
星野リゾートは60億を超えたくらいなので桁がひとつ少ないです。
●未来の市場規模は?
インバウンドの高まりとともにホテル需要も伸びてきています。が、昨今のコロナの影響で今年は停滞を免れませんね。
ここでCustomer分析にひとつ付け加えます。
後述しますが、西武HDは”MICE”の誘致を狙った戦略をとっています。
そこで、このMICEについて掘ってみましょう。
●MICEとは
MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関、団体、学会等が行う国際会議(Convention/Conference)、展示会・見本市・イベント(Exhibiton/Event)の頭文字で”多くの集客が見込まれるビジネスイベント”の総称です。
MICEに該当するイベントは参加者が多く、消費額も大きい。また、国際会議などは年々増加傾向にあるため市場としても伸びしろがある。
2018年に観光庁からMICEに関する調査報告によると、経済波及効果は以下の通り。
|
経済波及効果
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Meeting
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約1,614億円
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Inventive trabvel
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約569億円
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Convention
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約6,789億円
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Exhibition
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約1,618億円
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Total
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約1兆590億円
|
また、外国人参加者一人当たりの総消費額は平均33.7万円となっています。
B)ミクロ視点の分析
先ほどまでの分析をもとに考えると、西武HDのホテル事業においては
・高級ホテルに泊まりたい一般市民
・MICEの開催を意図した法人や団体
というふたつのターゲットを考えるのが妥当といえそうです。
3.Competitor分析
Competitor分析の主題は、競合が先ほど調べた市場のニーズをどの程度満たせているのかを明らかにすることです。
その際、間接競合についても分析をするのがポイントです。間接競合とは、業界や市場としては異なるが自社と同じターゲットに同じ課題解決を提供している競合のことです。(例えば、「痩せたい」というニーズに対してはサプリメントという解決策を提供する企業と、ジムという解決策を持つ企業があります。)反対に、同じ市場でばちばちやり合っている相手は直接競合と呼びます。
●直接競合①(プラザホテル)
詳細は後述しますが、都内でMICEの誘致を意識しているホテルとしてはプラザホテルが筆頭にあがります。ので、直接競合①はプラザホテルに設定。ただ、プリンスホテルに比べると根本的に数に圧倒的な差がある(プラザホテル3棟、プリンス43棟)
”MICEの誘致に関するノウハウを持っているホテル”という意味ではプラザホテルには伸びしろがあるし、棟数が急速に拡大したらプリンスホテルにとっても脅威になりうるが、現時点では脅威と呼ぶには至っていない。
●直接競合②(リゾートトラスト)
比較の理由は、売り上げで肉薄しているため。
リゾートトラストはリゾート会員権のシェアは国内トップで、日経MJが行っている会員制リゾートクラブ部門で25年連続売上高No.1である。
立地も全国津々浦々に広がっており、東京での事業は薄い。
プリンスホテルとは利用者のニーズが異なると考えるため、今回は分析の対象外とする。
●間接競合 大学施設
国際会議の会場という点においては大学施設が誘致の競合となっている。ただ、国際会議はそもそも大学同士で実施するものも多いので今回は分析外とする。
4.Company分析
Company分析では、Competitor分析と同じように、自社がターゲットのニーズをどの程度満たせているのかを明らかにします。
まずは客観的に分析をしたうえで、最後にCompany×Competitor×Customerすべてを総合的に判断し、勝てる領域とその理由を明確にする。
●自社が満たそうとしているニーズは何か?また、そのターゲットは誰なのか?
西武HDのHPのなかで「今後の経営計画・戦略」を見てみるとホテル・レジャー事業については
・「総合力で業界No.1ホテル・レジャー事業会社としての地位を確立」するという目標がある。そして、その下支えとして”MICE市場”で圧倒的なシェアを確保している実績がある。
MICEとはMeeting, Incentive travel, Convention, Exhibitionの総称で、簡単にいうと企業・団体がかかわるレベルの大型イベントのこと。
西武HD発行のファクトブックを見ると、2011年から2019年の間で、西武HDが保有するホテル施設数は42から43に増えたのみ。
客室数は159室減で98%
一方で、宴会場数は51会場増(253会場→304会場)で120%
さらに宴会場数をシティエリアに限定してみると、170会場から215会場へ45会場増え率にすると126%になる。
こうしてみると、西武HDがホテル事業で業界No.1を目指すのではなく、ホテル・レジャー事業で業界トップを目指す意図が見えてくる。
西武HDは通常のホテル業務に法人や団体をターゲットとした付加価値(MICE)をつける戦略をとっている。
JNTO国際会議統計のデータを調べると、2007年から2018年の期間で東京で開かれた国際会議は3214件あり、そのうち会場がホテルとなったケースが536件。”プリンスホテル”が受け持ったケースは112件ある。”プラザホテル”も同時期116件となっている。なお、直近5年(2013~2018年)ではプリンス47件、プラザ40件(全体217件)。
5.まとめ
ホテル業界におけるトップは「プリンスホテル」を展開する西武HDであり、その中で重要な位置を戦略が”MICE誘致”であることがわかった。
(コロナや東京オリンピック後の様子は見通すのが困難だが、)インバウンド需要の高まりとともに競争の激化が予想されるホテル業界において、西武HDはMICEの誘致とホテルの集客を両立できる数少ない存在である。
そんな西武HDにとって”脅威”となりうるのは以下の2点である
①売上高でリゾートトラストに抜かれる可能性は十分にあること
②MICE誘致で他ホテルや大学に後れをとること
これ以上の細かい分析はまたの機会に。
No.8 上野動物園
【サービス名】
【目次】
1.分析の目的、手法
2.Customer分析
3.Competitor分析
4.Company分析
5.まとめ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1.分析の目的
今回は3C分析を用いて分析をしていきます。
一般的に3C分析を使うことによって「KSFの発見」につながるとされています。
KSFの発見とは、自社が他社に勝てる理由を見つけることととらえています。
2.Customer分析
Customer分析を行う理由は大きく2点あり、1点目は現在の市場環境を整理すること、2点目はターゲット市場の消費者のニーズを明確にすることにあります。そこで、マクロ(市場レベル)視点で前者を分析し、後者はミクロ(消費者)視点で分析を進めていきます。
A)マクロ視点の分析
●現在の市場環境は?
園名
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入場者数
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4,964,547人
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|
2,542,037人
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1,675,822人
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1,373,826人
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1,288,200人
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表のように国内には敵なしといえる状況。
●海外の動物園と比べると?
ざっと調べた感じでは、上野動物園は海外の動物園と比べても、来場者数は多いほうらしい。
B)ミクロ視点の分析
●動物園に来るのってどんな人?
京都市の動物園が行った調査では、入園者の8割は家族となっている。
●どんなニーズを満たそうと思っている?
2010年に首都大東京が行った調査によると、レジャーの目的での来場者が大部分を占める。
3.Competitor分析
上野動物園はPlaceやPromotionという点で他を圧倒している。
逆に、Placeで劣る動物園はいかにして集客を伸ばしているのか?
①東山動物園
飼育展示している動物の種類が国内最多(500種類)
→Productの量が多い
大きな特徴はないが、全体的にバランスが良い
観光地としての知名度が高い
→Promotionがうまくいっている
展示しているパンダの数が多く、また、距離も近い
→Productの質が高い
4.Company分析
Company分析では、Competitor分析と同じように、自社がターゲットのニーズをどの程度満たせているのかを明らかにします。
まずは客観的に分析をしたうえで、最後にCompany×Competitor×Customerすべてを総合的に判断し、勝てる領域とその理由を明確にする。
●上野動物園の強みは何か?
・とにかく立地が良い。顧客にとってアクセスの良さになっているほかにも、取材の頻度が多い。
・展示している種が国内2位
・都会のなかにあって”自然”を感じられる(園は上野公園の一部で、自然が集まっている。)
→Productの質と量が高い。Placeも抜群。Promotionもパンダはテレビがやってくれるので費用をかけずに行える。
5.まとめ
上野動物園には、立地、動物の数や質、広報など多くの点で優れていて国内トップにふさわしい動物園といえる。
また、「都会のなかで”自然”を感じられる」という点も顧客のレジャーをしたいというニーズに合致しているといえる。
動物園、いきたいなぁ
No.7 松屋【3C分析】
今回はみんな大好き松屋についてです。
【サービス名】
松屋(牛丼チェーンのやつ)
【目次】
1.分析の目的、手法
2.Customer分析
3.Competitor分析
4.Company分析
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1.分析の目的
今回は3C分析を用いて分析をしていきます。
一般的に3C分析を使うことによって「KSFの発見」につながるとされています。
KSFの発見とは、自社が他社に勝てる理由を見つける事と捉えています。
2.Customer分析
Customer分析を行う理由は大きく2点あり、1点目は現在の市場環境を整理すること、2点目はターゲット市場の消費者のニーズを明確にすることにあります。そこで、マクロ(市場レベル)視点で前者を分析し、後者はミクロ(消費者)視点で分析を進めていきます。
A)マクロ視点の分析
「市場環境を整理する」というとざっくりしすぎなので、もう少し分解します。大きく3つの観点から整理をします。
まず、現在の視点。現在の市場規模とその中での自社のシェアを明らかにする。
次に、未来の視点。市場の成長性を吟味することで将来の市場規模を考えるヒントになります。
最後に、過去の視点。ターゲットとしている市場の領域ではどのような競争が行われてきたのか。
●現在の市場環境は?
吉野屋:103,610百万\
松屋 : 80,470百万\
合計 :398,470百万\
御三家のなかで松屋のシェアはおよそ20%
●未来の市場規模は?
2008年ころから店舗数や客単価は隆盛はあれどほぼ対比100%で落ち着いていおり、大きな転換も見られない。
そのため、今後もしばらくは大きな変化は起こらないと予想される。
●過去の市場規模は?
前述のように、ほぼ横ばい状態。
B)ミクロ視点の分析
ここではターゲットのニーズを明確にし、まとめておくことが目的です。
ニーズに対して企業は最適化アプローチと創造型アプローチの2種類の方法を使っています。前者は「今あるニーズを満たすよ!」後者は「一歩先にある新しいニーズを創りだすよ!」という考え方です。
消費者にもこの考えを当てはめ、大多数のひとが持っているニーズと、一歩先にあるニーズを整理します。
●大多数の人が持っているニーズは?
・低価格
・ひとりでも入りやすい
・うまい牛丼を食べたい
・注文してから出てくるまでが早い
●一歩先にあるニーズの仮説は?
今回は、「昼休みのサラリーマン」をターゲットに考える。
短時間で食事を済ませたい昼休みのサラリーマンにとって一歩進んだニーズを満たすようなサービスはあるのか?
・おかわり自由
全面的におかわり自由にしているところはなし
・クーポン券
→すき家や吉野屋ではこれまでにも1か月使える割引券あり。ただ、もっと攻めた内容でもいけるのでは?という所感。
3.Competitor分析
Competitor分析の主題は、競合が先ほど調べた市場のニーズをどの程度満たせているのかを明らかにすることです。
その際、間接競合についても分析をするのがポイントです。間接競合とは、業界や市場としては異なるが自社と同じターゲットに同じ課題解決を提供している競合のことです。(例えば、「痩せたい」というニーズに対してはサプリメントという解決策を提供する企業と、ジムという解決策を持つ企業があります。)反対に、同じ市場でばちばちやり合っている相手は直接競合と呼びます。
●直接競合
ニーズ①:低価格
並盛で比較
すき家 350\
吉野家 380\
松屋 380\(味噌汁込)
ニーズ②:注文してから出てくるまでが早い
大差なし
ニーズ③:質が高い
吉野家 質が高いという声が多数あり
●間接競合
ニーズ①に対する間接競合は?(前提として、丼もの)
かつや、なか卯、てんや
ニーズ②に対する間接競合は?
ファストフード、丸亀製麺
ニーズ③に対する間接競合は?
てんや、丸亀製麺
4.Company分析
Company分析では、Competitor分析と同じように、松屋がターゲットのニーズをどの程度満たせているのかを明らかにします。
まずは客観的に分析をしたうえで、最後にCompany×Competitor×Customerすべてを総合的に判断し、勝てる領域とその理由を明確にする。
●松屋が満たそうとしているニーズは何か?また、そのターゲットは誰なのか?
決算書類を見ると、「安心・安全・健康」や「食の安全性」を謳う文句が多い。ターゲットとして明確に狙っているのかはわからないが、「食の安全性意識が高い人」をまずいれる。
続いて、最近の新メニューをみると、
”超粗びき”ビーフハンバーグステーキ定食 790\
カチャトーラ定食 790\
となっている。牛丼を軸にラインナップの拡大を図ろうとしていることがうかがえる。ターゲットとしては「ちょい安ランチ」を求めているひと。
●ターゲットのニーズをどの程度満たせているか?
ターゲットをお昼時のサラリーマンとしてしまうと、松屋の戦略はあまりはまっていないか、飽きさせない工夫がちょっとある程度で「勝てる理由」にはならない。
逆に、近年すき家が力をいれているファミリー層への対応というほうが妥当な気はする。
No.6プレステ VS Switch
中々外出がはばかられる今日このころ、皆さんおゲームはしてらっしゃいますでしょうか?
今日は、プレステvsスイッチを比べてみます
プレステと任天堂の商品群を年代ごとにならべると以下の通りです。
プレステの初期モデルが発売されたのは1994年のこと。
その後、2000年に2を、2006年に3を、そして2013年に4を発売。さらに今年の末には5が出る予定となっております。
Sonyは一貫してプレステを軸に周辺機器や派生商品を出すなどしています。
一方の任天堂はポータブルタイプや据え置き型などいろいろなタイプに挑戦をしており、”ゲームが主幹事業”という感じが目に見えてわかりますね。
PS4とスイッチを比べてみると、値段やMaxの解像度など似通っている点が多くあります。
プレステ4発売直後の2014年の調査になりますが、日本国内における年代別の購入者比率は以下になります。
30代、20代からの指示が厚いことがわかります。
購入の理由も、「映像クオリティの高さ」や「音楽クオリティの高さ」などゲームそのものというより、品質の高さが際立っています。
スイッチのほうはあまり信頼できるデータが出てきませんでしたが、ニコニコのアンケートを見ると、
・10代、20代からの指示が厚い
・購入の理由は「ソフト」が大きい
といったことは言えそうです。
ここまでを見ると、なんとなく10代はスイッチ、30代はPS4、20代は奪い合いといった感じがしますね。
さらに、ソフトの傾向を見てみましょう。
以下のリストは、PS4とスイッチそれぞれが一番初めに出したソフト群です。
このなかでも注目は上2段。
このソフトにそれぞれの企業の(マーケティング的な)想いがつまっているのではないでしょうか?
【Sony側】
KNACK
公式のKNACKの説明を見ても、最初の一文に「PS4の高い性能によって実現した爽快なアクションゲーム」とあります。とにかく性能を見てほしいというのが表れていますね。
こちらもレビュー見てますと、やはりグラフィックの高さが目立ちます。
ゲームの内容などみても、10代にはあまりウケる印象はなかったです。
【Switch側】
1-2 Switch
KNACKと同様に、新しいハードでできることを顧客に浸透させるのが目的。ジョイコンを使ったゲームが多数あり、複数人でも楽しめます。
色調も明るいです。
ソフトの面からも、両社の狙いは明らかでした。
ハイクオリティを武器に、20~30代を取り込みたいSony
親しみやすさを武器に、10~20代を取り込みたい任天堂
そんな構図かと思います。
2020年は年末にプレステ5がでますから戦略のぶつかりあいがまたおもしろくなりそうですね。
以上です!
No.5 ダスキン(ミスタードーナッツ)
みなさんは、ドーナッツと聞いて真っ先に思い浮かべるのはどのお店でしょうか?
ここ数年はコンビニなども力をいれてきてますね。
【企業名】
株式会社ダスキン
【目次】
0.基本情報
従業員数:2020名(単体)
1.沿革
1963年:設立
1971年:ミスタードーナッツ事業を開始
2008年:株式会社モスフードサービスと資本・業務提携
2.事業内容
①訪販グループ
②フードグループ
③その他
3.業績
実は、ダスキンのなかで最も売り上げが大きいのは訪販グループで全体の7割近い。
また、訪販グループは10%を超える営業利益率を持つ一方でミスタードナツが所属するフードグループの営業利益率はおおむね3%を超えることは無い。
ちなみに自己資本比率は74%。
4.マーケティング分析
今回は、4P分析を活用してミスタードーナツについて分析してみますぅ
と、その前にそもそもミスドの競合ってどこよ?
・ドーナツ屋さんの競合
ドーナツをメインの商材としているところでは出店規模が大きく異なるためほぼ競合はなしといえます。
ジャックインザドーナツ:36店
クリスピークリーム:50店
ミスタードーナツオ:973店
・カフェの競合
続いて、カフェ。こちらは競合多数ですね。
スターバックス:1530店
ドトール:1106店
コメダ:858店
タリーズ:735店
・ドーナツ販売の競合
数年前から、コンビニもドーナツ販売に力を入れ始め、思っていたようなヒットはしなかったものの、依然としてドーナツの販売はしているので競合になると考えられます。
現在、セブンイレブンのラインナップにあるドーナツは全6種。価格帯は100~150円で、安いものも多い。
コンビニ各社ともドーナツ業界で大きな影響力を持つには至っていないが、販路が大きいことと、低価格帯が充実していることから一定の需要は得ている。
まとめると、ミスドの競合はカフェと低価格帯においてはコンビニ。
Place
・出店規模はカフェの競合には負けるが、出店の分布には特徴がある。
東京と愛知、大阪での出店数を全出店数で割ると以下のようになる
スタバ:38.5%
ドトール:44.3%
ミスド:23.9%
この数字だけ見ると、「ミスドは大都市よりも地方でファンを増やしている」と見えるが・・・
2019年2月からの新店、閉店の状況を見ると
【新店】11店
東京、愛知、大阪:4
その他:7
【閉店】19店
東京、愛知、大阪:8
その他:11
以上のようになる。この数字だけでは、地方に出店を進めているというのは無理がある。
立地という意味ではあまりこだわりが無いように見えるが、一方で2023年までに全店の改装を目標にしている。
立地に関しては、いまあるものを最大限活かすのが効率的と判断したのか・・・。
Product
・昨今のブームに乗りタピオカドリンクも発売した。
・カフェオレなど一部飲み物はおかわりが自由。
主力のドーナツはやはり、コンビニドーナツが出てきたことでより工夫を加えたものが増えた。
共同開発、コラボ商品、季節商品などコンビニ・カフェとも差別化ができている。
Promotion
主にLINEで友達になっている顧客に向けた情報発信やSNSを活用した広報を行っている。
最近はCMもあまりなく、「ポンデライオン」の姿も見なくなった。
Price
・カフェとして見るとやや安く、ドーナツ単体で見るとコンビニほどは安くない。
実は、ミスドは今年で50周年を迎えました!
以上!
No.4 家電業界分析
【前回からの流れ】
今回のメイントピックは、
「家電売り上げTOP5の立ち位置」を探ること!
●そもそも家電業界ってどういった特徴があるの?
家電量販店には大きく2つの特徴がある
ひとつは家電の販売に軸足を置いていること
もうひとつは安く、多く売ることを基本戦略としていること
いわゆる薄利多売なビジネスで、家電などはサイズが大きいためうまく売りさばかないと在庫が物理的に店舗を圧迫するため、多少利益を削ってでも安く売りやすい構造を持つ。
顧客側から見ると、安さが強みだし、商品を提供するメーカーから見ると、多く売ってくれる信頼感がある。
一方で、価格競争が熾烈なため競争は厳しい。
そうした価格競争を抑えるため各社とも「自社ポイント」に力をいれている。
●業界内での2019年売り上げTOP5は?
1位:ヤマダ電機
2位:エディオン
3位:ヨドバシカメラ
4位:ケーズHD
5位:ビックカメラ
●各社戦略は?
家電企業に共通しているのは
・安さが売り
・顧客に定着してもらうためにポイントに力を入れている
という点だった。
【ヤマダ電機】
ヤマダ電機は上記2点の共通戦略に加え「家電量販店のヤマダ」からの脱却を進め、住居のハード面に関しての何でも屋になろうとしている。(CMでは「暮らしまるごと」と表現)
その表れとして2011年ころから不動産、住宅、リフォームに力をいれ企業買収なども行っている。最近では大塚家具を買収。
【ビックカメラ】
ビックカメラは家電量販店の特徴である安さを戦略の基本としている。
ネット販売も手堅く行っている。
ヨドバシとビックは店舗数が比較的少ないため、都市部の一等地で集中して販売をする傾向にある。
【ヨドバシカメラ】
石井スポーツを子会社化するなどアウトドア用品にも注力
過去を見ると、ポイント制度を業界で一番に始めたり、ECへの参入も早かった。
ヨドバシとビックは店舗数が比較的少ないため、都市部の一等地で集中して販売をする傾向にある。